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抗がん剤と肌トラブル(大腸がん編)

2023年1月31日

抗がん剤と肌トラブル(大腸がん編)

大腸がんの抗がん剤治療を受けるにあたり、副作用に関する不安も多いと思います。今回は、抗がん剤治療中に起こりやすい肌トラブルやその対策についてお伝えします。

抗がん剤で肌トラブルは起こるの?

ここ数年で、内視鏡技術の進歩や新しい抗がん剤(薬物療法)が次々と開発されたこともあり、大腸がんの治療成績は大きく改善しました。 以前は「がん治療=外科手術」といったイメージを持つ方が多かったと思いますが、今は手術後に通院で薬物療法を行うケースも一般的になりました。
抗がん剤の副作用というと「脱毛」や「吐き気」を連想する方が多いのではないでしょうか。 確かに脱毛や吐き気も起こりやすい症状ですが、大腸がんに使われる抗がん剤のなかには、副作用として、「肌トラブル」が報告されているものもあります。※1
一般的な症状としてはニキビのような皮疹(専門的にはざ創様皮疹といいます)や肌の乾燥、かゆみなどが多いようです。
肌トラブルは、スキンケアによって対策することが可能です。
次の章では、スキンケアについてお話しますが、肌トラブルのように、知識があると対策ができる副作用もあります。医師・看護師などの病院スタッフに副作用について事前に確認・相談しておきたいですね。

抗がん剤治療中は女性も男性もスキンケアを意識しましょう

先述しましたが、肌トラブル対策には、日頃のスキンケアがとても大切です。 何といっても、スキンケアは毎日続けることがおすすめです。

スキンケアの基本は、肌を
・清潔に保つこと
・保湿すること
・刺激を少なくすること

です。

抗がん剤治療中は女性も男性もスキンケアを意識しましょう

具体的には、「しっかり泡立ててやさしく体を洗うこと」、「保湿剤などを使うこと」もよいですし、「刺激の少ない肌着にすること」もよいと思います。

では刺激が少ない肌着とはどんなものでしょうか?・・・ポイントは「肌ざわりのよさ」です。

どういう訳か、刺激が少ない肌着というと「綿100%」が一番よいと思う人が多いように感じます。その理由としてよく聞く回答は、「天然繊維だから」です。もちろん「綿100%」や「天然繊維」を否定するつもりはありませんが、肌着メーカーの社員としては、肌着選びの時に「素材」だけではなく、生地のやわらかさやなめらかさ、刺激になりがちな縫い目やタグの有無などの「肌ざわり」も気にかけてほしいと考えています。
肌着の摩擦により、かゆみなどを発生しやすくなる可能性がありますので、抗がん剤の治療中には、ぜひ肌着の「肌ざわり」も参考にしてもらいたいポイントです。

それとスキンケアに注意してほしいのが男性です。
女性は日常的に保湿する習慣のある人が多いですが、男性で保湿する人は女性に比べると少ないです。※2 特に、大腸がんの罹患者として多い65歳以上は、加齢により汗や皮脂の分泌が少なく元々乾燥しやすい状態なので、要注意です。 ぜひ肌のことにも注目してもらいたいです。

大阪大学と大阪市立大学(当時)の臨床研究でも、適切なスキンケア介入(治療)とともに、刺激の少ない肌着を着用することの大切さについて論文発表されています。※3

つらくなったら医師や看護師に相談を・・・

つらくなったら医師や看護師に相談を

現在は、一人の医師が担当するのではなく、外科医、内科医、皮膚科医、そして看護師、薬剤師までさまざまな専門家が連携して治療を行います。そうすることでより専門的で幅広い治療やケアが可能だからです。
少しでもつらいなと感じたら、ぜひ病院スタッフに頼りましょう。きっと専門の方にケアやアドバイスをもらえると思います。

そして私たちも、肌に身に付けるもので、少しでも治療中のQOLを改善できればと思います。 肌着が「肌や心をいたわるような衣療となるように」そう願って活動を続けていきます。

<参考文献・資料>
※1 患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 書店で購入できます
※2 スキンケアを必ずする人の割合、男女で4倍以上の差 | Fastrend(ファストレンド) (trend-research.jp)
※3 皮膚の科学 乾燥皮膚疾患における低刺激肌着の検討 越智沙織ほか

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