もっともっと、メディキュア！

グンゼのお客様相談室には、肌にやさしい下着に関するお問い合わせをたくさんいただきます。その中で近年、お問い合わせが増えていたのが、乳がん患者さんからの問い合わせでした。
「お店にはハーフトップがいろいろ並んでいるけれど、縫い目が痛かったり、締め付けが強かったりして、ちょうどいいものが見つからない。」

そんなお声に、グンゼが寄り添えることはないかと、乳がん患者さんを一番近くで支えている看護師さんにお話を聞くべく、乳がん学会にメディキュアを出展しました。
乳がんの術後は、締め付けのきついブラジャーをつけられなかったり、縫い目などの刺激で悩まされたり・・・、下着にお困りの患者さんが多いことを伺いました。また、手術で腕が上げられなくなるので、前開きタイプが必須であることを教えていただきました。

乳がんの患者さんの負担を少しでも楽にできるよう、術後の体に優しい前開きハーフトップの開発を開始しました。
ここで活きたのが、バストを優しくサポートする伸縮素材、縫い目を無くした接着技術、前開き仕様にするための設計とミシンの技術でした。

唯一、スナップボタンを取り付ける土台部分は、縫い目なしにすることができなかったのですが、肌への刺激にならない縫い仕様を考え抜きました。数十回以上にも及ぶ試作、着用評価、修正を繰り返し、納得のいく商品が完成しました。こんな複雑な縫い方ができるのも、ミシンの匠の技があればこそです。